統合失調症

統合失調症とは

 統合失調症とは、その名の通り、脳の統合機能が失調する病気です。統合機能とは「考えをつなぐ働き」のことです。この働きが侵されると、思考に障害が起こり、さまざまな症状を引き起こします。幻覚や妄想が代表的な症状です。かつては「精神分裂病」と呼ばれていましたが、2002年に「統合失調症」に変更されました。

 

 統合失調症は、昔よく言われたような人格が破綻するような病気ではありません。発症率は1%、100人に1人がなるといわれています。誰もでもなる可能性のある身近な病気ともいえるかもしれません。10代後半から30代前半に発症することが多いです。男女比はほぼ同じですが、男性は10代〜20代前半、女性は30代後半〜40代に発症することが多いのが特徴的です。

 

 現在では、新薬の開発と心理的社会的ケアの進歩により、発症した人のほぼ半数が寛解で長期的な回復を期待できるようになっています。実際、統合失調症の症状は軽くなっている傾向にあります。抗精神病薬やリハビリテーション方法の進化により治療が十分に望める病気となりました。そして、できるだけ早期の診断、いち早いケアや治療が重要です。

 

 しかし、統合失調症という病気の誤解や偏見により、受診に躊躇する方が多いのも事実です。現在では、治療方法が進んでいるのに、医療機関に行かなくては、意味がありません。そして、回復のためには、医療機関だけでなく、家族の協力も不可欠です。

 

 本サイトでは統合失調症の症状や診断、治療方法、家族の患者さんへの接し方などについて紹介します。ぜひ参考になさってください。

早期発見、早期治療が回復の鍵を握ります

 統合失調症は、もともとなりやすい脳を持つ人に、過剰なストレスがかかることにより、脳の一部の機能が乱れて発症する病気と考えられています。
 心の病気と思われがちですが、脳の機能のバランスが崩れることによって幻覚や妄想、会話や感情表現の乏しさなどが現れます。いわゆる「引きこもり」といわれる人のなかには、統合失調症を発症している人も少なくありません。

 

 多くの病気と同様に統合失調症も早期発見、早期治療が大切です。薬物治療は症状が現れてからできるだけ早く始めたほうが有効です。薬物治療がうまくいけば、社会復帰も十分に期待できます。治療が遅れるほど、回復が難しく、陰性症状が現れるなど重症化がすることが多くなります。

 

 WHO健康報告2001では、「統合失調症は様々な経過をたどるが、約3分の1は医学的にも社会的にも完全に回復する。初発患者の場合、現代の進歩した薬物療法と心理的ケアを受ければ約半数は長期にわたる完全な回復を期待できる」と明記されています。

 

 統合失調症の前兆が現れたら、できるだけ早く精神科などで受診しましょう。