統合失調症の原因

統合失調症の原因はひとつではない

 統合失調症の原因は1つではなく、いくつもの因子が複合的に絡み合い発症するものです。つまり、特定の原因というものははっきりとはわかっていません。
 統合失調症は脳の機能異常ではありますが、脳のどの部分のどういった異常なのかはまだ確認されていません。統合失調症という病気も、本当に1つの病気なのかどうかということ自体、実はまだよくわかっていないところなのです。
 しかし、これまでの調査や治療の効果測定などを経て、いくつかの原因となりえる仮説が生まれてきました。

 

脳活動の違い

 

統合失調症の脳活動

"Schizophrenia fMRI working memory" by Kim J, Matthews NL, Park S. - PLoS One. 2010 Aug 11;5(8):e12068. An event-related FMRI study of phonological verbal working memory in schizophrenia.doi:10.1371/journal.pone.0012068.g002. PMID 20725639. Licensed under CC 表示 2.5 via ウィキメディア・コモンズ.

 

 上図はfMRIによって表された脳の断面図です。左が健常者で右が統合失調症患者です。赤で示した部分はより活発に働いている部分です。健常者が赤い部分が多いのに比べて、統合失調症患者は少ないことが分かると思います。
 このことにより、統合失調症の原因は、脳に器質的な障害によるものと考えられることもありますが、果たしてそうなのかどうか両論あるのが現状です。
 上述しましたが、統合失調症の原因には様々な仮説が立てられています。そしてそれに伴い原因となる因子がいくつか存在することが分かってきたので、以下に紹介していきます。

統合失調症の原因記事一覧

先天的な問題-統合失調症の危険因子

 先天的な問題をかかえていて、そこに精神的なストレスや身体的ストレスがかかると、統合失調症を発病しやすいとされています。 先天的な問題には次のようなものがあります。もともと病気になりやすい体質である。母親の体内にいたときにウィルス感染した。分娩時に外傷を受けた。

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ドーパミンの過剰分泌-統合失調症の危険因子

 脳内には情報をやり取りするために、神経伝達物質が分泌されています。神経伝達物質のなかのドーパミンが、統合失調症の発病に関係があるとされています。 脳には、必要な情報だけを取り入れる”フィルター”が存在します。ところが、ドーパミンが神経経路の一つである中脳辺縁系で過剰になると、このフィルターの働きが...

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遺伝-統合失調症の危険因子

 統合失調症は遺伝病ではありません。 しかし、父親か母親のいずれかが統合失調症であると、子どもの発病率が高いというデータがあります。父母のいずれかが統合失調症の場合、子どもの発病率は10〜12%両親とも統合失調症の場合、子どもの発病率は48% 一般の発病率は1%未満ですから、何らかの遺伝的な要因があ...

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ストレス-統合失調症の危険因子

 失恋、就学、家族の死、過度の勉強、就職活動、職場でのトラブルなどストレスの種はいたるところにあります。 精神的なストレスや身体的なストレスが、統合失調症の発病につながることがあります。 大きな事故に遭ったり、手術を受けたりすることもきっかけになることがあります。 また、統合失調症はストレスがきっか...

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統合失調症を発症しやすい年齢

 下表は統合失調症患者が初めて発症した時の年齢と全体における割合を男女別に示したものです。年齢男性女性12〜1410%10%15〜1925%18%20〜2427%21%25〜2918%20%30〜3410%10%35〜398%9%40〜441%6%45〜491%9%50〜542%1%55〜591%1...

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親の育て方は関係ない

 統合失調症と親の育て方は関係ありません。自分や家族を責めたりしないようにしましょう。 統合失調症と診断されると、育て方が悪かったと親である自分を責め、不安に襲われたり、罪悪感に苛まれたりする人がいます。その結果、親が患者ときちんと向き合えなくなり、回復に悪影響を及ぼすことになります。 統合失調症は...

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