抗精神病薬の副作用

抗精神病薬の副作用

2013/07/14更新

 抗精神病薬に限らず、薬に副作用はつきものです。
 自分で勝手に服薬をやめたり、量を減らしたりしないようにしましょう。薬を飲まなかったことによって統合失調症の症状が悪化するというリスクもあります。薬の副作用がつらい場合は必ず、医師と相談してください。
 医師は患者に現れる効果や副作用を見て、薬があっているか判断してます。合わないとわかれば、薬を変えたり、量を調節したりします。
 また、副作用は徐々に落ち着いていくものです。反対に効果はじわじわと現れます。ですから、抗精神病薬は気長に飲み続ける必要があります。

 

抗精神病薬の副作用

 次のような副作用がでますが、自己判断で服薬をやめたりしないようにしましょう。必ず医師に相談し、指示にしたがって正しい対処をしましょう。

  • 体が硬直し歩行ができない、手の震えや無表情、口や舌が無意識のうちに動く、ろれつが回らない、目がつり上がる、じっとしていられないなどのパーキンソン症状→抗パーキンソン薬で対応
  • 頭がボーっとする。だるい
  • 口の渇きやよだれ、便秘、立ちくらみなど自律神経への影響→治療薬を使ったり、生活習慣の改善で対応
  • 月経異常、性欲の減退などホルモン系への影響→薬をやめれば回復
  • 眠気やダルさなど過剰な鎮静→よく眠ることで回復につながる
  • アカシジア
  • ジストニア

 特に出やすいのはパーキンソン症状です。これはドーパミンがブロックされることによる副作用です。
 アカシジアとは、ムズムズ感や焦燥などから落ち着きがなくなって、立ったり座ったり歩きまわったりしないといられない静座不能状態になることです。ジストニアとは筋肉の調整が上手くいかなくなる状態のことです。
 ここにあげた副作用がすべて出るわけではありません。便秘、肝臓の障害、発疹、皮膚炎症といった症状がでることもあります。
 また、副作用の現れ方には個人差があります。いくら飲んでも副作用が出ない人もいれば、少し飲んだだけで様々な副作用が出てしまう人もいます。

 

副作用が出る主な理由

 抗精神病薬を飲んでいて症状が改善してくると、回復のための必要量が減ってくるために、摂取量が過剰になってしまう場合があります。頭がぼーっとしたり、だるくなったりするのはそのためです。薬が効きすぎている状態です。
 また、抗精神病薬は脳のフィルター機能の改善のためだけに作用すればよいのですが、ドーパミンに作用すると、筋肉の動きのバランスにも影響が出てしまうことがあります。そのため、手足の震え、口や舌が無意識のうちに動く、足がムズムズ動くといった錐体外路症状が見られることがあります。
 非定型抗精神病薬は、錐体外路症状が出にくい薬ですが、体重増加や糖尿病といった副作用を起こすことがあります。

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