統合失調症の薬

統合失調症の薬

統合失調症は日本ではまだまだ認知度が低い

 日本は先進国の中でも様々な分野において最先端の技術を持っていて世界をリードしています。医療においても同様で、現在も病気の治療方法や薬の研究が盛んに行われています。しかし、そんな世界でも最先端の医療を持っている日本でも他国に比べて遅れている分野も存在します。それは心の病です。精神科や心療内科といった分野においてはまだまだ一般の認知度が低く、正しい知識を持っていない為に重症化してしまうケースも少なくありません。体の病が数多く存在するのと同様に、心の病といってもみんな同じではなく様々な症状があります。統合失調症と呼ばれる病気もそんな心の病の一つです。

 

統合失調症は自分では気が付きにくい

 統合失調症は心の病として一般的に広く知られるうつ病などとはかなり違う病気です。脳には様々な働きがありますが、それが何らかの原因によりまとめることが出来なくなってしまったことにより幻覚や妄想といった症状を引き起こすのが統合失調症と呼ばれる病気なのです。幻覚とは実際にはそこに無いものが見えてしまう症状のことです。本人には現実としか見えていないのですが、それは脳の働きが正常でないので見えてしまっているので他人には見ることは出来ないのです。また、同じように本人にしか聞こえない音や声が聞こえることもあります。これは幻聴と呼ばれる症状で、本人にしか聞こえない悪口などが聞こえて症状を悪化させていくことがあります。妄想とはあきらかに間違っている情報を信じてしまい、それが間違っていると受け入れられない状態のことです。幻覚や幻聴と合わせて妄想は酷くなっていき、自分は監視されているのではといった被害妄想に取り憑かれるといったことも珍しくありません。他人から見ればとても馬鹿げたことに思えますが、本人には現実に見えたり聞こえたりしてしまっているのでそれが病気のせいだとは気が付きにくいのです。

 

統合失調症は薬で症状が抑えられます

 統合失調症は実はそれほど珍しい病気ではなく、統計によると日本ではおよそ80万人がこの病気にかかっているとされています。100人に1人弱という計算になりますので、身近に統合失調症の人が居るという人はさほど珍しくはないのです。このようにとても厄介な病気ではありますが、現在のところは何故病気になってしまうのかははっきりとはしていません。わからないということは誰にでも統合失調症になる可能性はあるということでもあります。幸いなことにこの病気は脳の病気なので薬によって症状を抑えることが可能です。専門の医師から正しい治療を受ければ十分一般的な生活をすることが出来るのです。本人にはそうだと気が付きにくい病気ですので、もし他人からそうじゃないかと指摘された場合には念の為に専門の医師に相談すると良いでしょう。
 統合失調症は脳の病気で、治療には薬の助けが必要です。薬を飲まなければ治療が始まらないと言っても過言ではありません。

 

統合失調症の薬の中心となるのは抗精神病薬です

 統合失調症の薬の中心となるのは抗精神病薬と呼ばれるものです。メジャートランキライザーともいわれます。
 このコーナーでは抗精神病薬を中心に、その効果、種類、副作用などを紹介します。
 また、抗精神病薬だけでなく、統合失調症の治療を補助する薬も紹介します。

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