入院治療の進み方
2013/07/15更新
入院治療は、疲労した脳を修復し、エネルギーを回復させます。症状に一喜一憂せず、ゆっくりと見守りましょう。
統合失調症の入院治療では、治療の進み具合によってテーマが変わってきます。
入院した後の各期ごとの治療内容
急性期の治療
テーマ:神経細胞を休ませて修復する
状況
幻覚や妄想などの陽性症状が激しく現れている時期です。
抗精神病薬の服用
傷ついた脳の神経ネットワークの機能を修復します。服薬だけで効果が現れないときは、注射薬を使うこともあります。
睡眠
十分に眠れる体制をとります。場合によっては睡眠薬を使用することもあります。
消耗期から休息期の治療
テーマ:エネルギーを蓄える
状況
陽性症状が目立たなくなるものの気持ちの落ち込みなどの陰性症状が現れます。
休養
失った精神的エネルギーを取り戻し、蓄えられるようにします。そのために静かな環境を整えます。
薬の量の調整
急性期で服薬した量より、だんだん減らす方向で調整します。症状がぶり返さないよう慎重に行います。
回復期の治療
テーマ:リハビリなど、できることを増やす
状況
長い時間をかけてゆっくりと状態が良くなっていく期間です。
薬
服薬は続けますが、量はだいぶ少なくなります。
リハビリ
リハビリの計画を立てます。無理しない程度で始めます。
退院後も治療は続く
自宅で療養できる状態になったと医師が判断すれば、退院となります。
退院してからも服薬は続きますが、残念ながら次のようなデータがあります。
- 退院した患者の4分の1が退院直後から服薬が乱れる。
- 6ヶ月後にきちんと服薬できている人は6割未満である。
服薬が乱れるのは稀ではなく、普通に起こり得ることです。家族の方もしっかり服薬させるようにしましょう。
=>服薬をつづけるために
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